最近の私事ですが、人生2度目のヘッドハンティング面接を経験しました。
自分の市場価値を点検するため登録している転職サイトからのお声掛けで、”highly confidential”な案件ということで、外資系エンターテインメント企業の大型プロジェクト立ち上げに関するマネージャー職の募集に関するものでした。
当該転職サイトのヘッドハンター曰く「なかなか条件に合う人材が見つからず、ようやく探し出せた。報酬希望額は、Budget(報酬予算)を超えるが、条件さえ合えばBudgetの増額も考えるというので面接してみませんか」。
今、行っている仕事が、自分なりに充実感であったり、使命感であったりを覚えているので、この手の話は今までお断りしてきたのですが、今回は大きく心が揺さぶられました。
魅力を感じた点
- 日本国内で大きく注目されているプロジェクトで、その立ち上げメンバーとして関われることは、自らのキャリアにとって大きなプラスであること
- 当初は副社長(Vice President)と2人で二人三脚で始めて、徐々にチーム編成や組織を整備するなど、組織運営にも関われること
- 人生初の外資系であり、人生にとって未経験なことを新たに経験できる機会であること
- 担当業務が自分の強みや経験・実績を活かせる内容であるとともに、エンターテインメント業界という、自分の興味・関心にも合致していること
- 報酬アップを図れること
とは言え、前回の転職も自分自身の人生の大きな転換であり、更に言えば、良くも悪くも多くの人々との関係やしがらみを抱えての転身であったため、自らの感情の赴くままに行動するわけにはいかないと思い、私が尊敬する外資系出身の上司に相談してみました。
彼からは極めて冷静かつ的確な助言をいただくことができたので、一時的にユーフォリア(陶酔状態)となった自分自身を落ち着かせることができました。
勢いだけでなく冷静に判断すべき点
- 外資系に転職するのであれば「次の次」を想定した上で転職を図るべきで、その展望があるか
- エンターテインメント企業への転身であるならば、当該企業のコンテンツに対する興味・関心が必要だが、それは十分か
- アングロサクソン系の外資系は、年齢や性別に関係なく、上司と部下との上下関係は明確だが、それに対する心理的抵抗感はないか
- 業務内容は「今の」スキルを活かせるかもしれないが、「新たなスキル」を開発できる余地はあるか
- 「企業の利益を最大化するための地域との関わり方」と「地域の活性化を図るための企業の貢献」は外形的には同じだが、目的と内容は異なるので、どちらを重視するのか
私が尊敬する上司は、外資系出身のデジタルマーケターなんですが、常日頃から「地域の面白さ」や「地域の価値」といったものを強調している方で、私と一緒に仕事をすることを楽しんでいる方ではあるのですが、他方で、外資系出身らしい歯に衣着せぬ物言いと明快な論理を重視する方で、今回も貴重な助言をいただくことができました。
私が感じた魅力はいわば「短期的視点」(=目先の利益)で、上司が指摘してくれたのは「中長期的視点」(=人生における価値観・生き方)だと思います。
志や価値観というものは「飴のように溶けやすい」ものであると認識して、都度点検する機会を持つことが重要であることを再確認した、二度目のヘッドハンティング面談でした。