チームのために毎週配信しているメールに掲載したコンテンツの公開版です。
今週の注目キーワードは「DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)」。
年度初めから地域観光DX関連で、全国の取組をサーベイする中で、しばしば遭遇したこちらの用語。
「様々なデータを集めて分析することで、企業が自社の顧客像を明確に把握するためのシステム」というのが一般的な定義で、ここに「顧客像に基づいて、インターネット広告の出稿を最適化する機能を備える場合もある」ということで、定義がわかりにくくなる要因があるのではないかと思った次第。
取り込むデータとしては、①自社サイトへの訪問者や顧客情報(ファーストパーティデータ)、②データ提供企業が販売する購買行動などデータ(サードパーティデータ)、③Webメディアやソーシャルメディアの閲覧履歴に関するデータ(オーディエンスデータ)、④自社が広告を配信した結果として得られる表示、clickなど(広告配信結果系データ)の4種類に整理でき、データを統合する際には、名前など個人情報をベースに紐付けているわけではないのが特徴です。
自治体の行政職員は必ずしもデジタルやテクノロジーに精通してないので、民間企業から提案されるものは鵜呑みにするの傾向があり、上記で定義したDMPの範疇に収まらないものをDMPとして受け入れて、発注しているケースが多いです。
様々なデータを収集、統合、分析し、ユーザーをセグメント化するだけでなく、それぞれのセグメントに対して有効なマーケティング手法まで導いてくれるようなシステムを期待しているのが自治体側のニーズなのですが、そこまで実現している事例というのは私がサーベイした範囲では見当たらない状況です。
デジタルを活用して地域観光をどのように変えていくのかについて、『ケースで読み解くデジタル変革時代のツーリズム』(ミネルヴァ書房)を読んでみましたが、DMP然り、AIやRPA然り、これらのツールを活用するタスクを明確にすることが重要で、サービスを提供する側と受ける側との共通認識を持つ必要があると思いました。