チームのために毎週配信しているメールに掲載したコンテンツの公開版です。
湯葉をはじめとした懐石料理レストランを全国展開している「梅の花」が、我々のビジネスパートナーでもあるヤンマーと連携して取り組んでいる事業の紹介。
京都府井手町と福岡県久留米市のセントラルキッチンにおいて、発生した端材や生ごみを処理した生成物で堆肥をつくり、その堆肥で栽培された農作物を梅の花が全量買い取るという独自の循環システムを構築しているようです。
良質な農作物の確保と生ごみの処理コスト削減を実現するというサーキュラーエコノミーのお手本のような事業で、企業のSDGs実現にもつながりますし、Social Good Actionのひとつの事例としてイメージを持っていただければと思います。
■都、データ共有・活用プラットフォーム 行政・企業・大学を横断的に
行政から見た民間感企業との役割分担として、よく「行政は環境整備を行い、実行するのが企業」と言われます。
今回の取組もその典型事例のようなもので、データ・プラットフォームを用意するのは東京都庁で、そのプラットフォームにデータ提供するのが民間企業というのが事業の枠組みです。
東京都が主体となって、オープンデータ以外も含めた多様なデータを取引できるようにし、データ提供者と利用者の協業を促し、潜在価値の高いデータを防災やエネルギーインフラ、まちづくりなど社会課題の解決を目指します。
記事でも指摘されているように、企業からの提供される取引データの拡充が、この目論見を実現するための肝となりそうです。
データビジネスの展開に当たり、このようなプラットフォームを活用して、我々のデータの価値や有用性を発信することも重要と考えますので、取組の進展を引き続きフォローしていきたいと思います。
最近、公募事業の関係で色々とやり取りをした愛媛県で進んでいる住民の健康増進プロジェクトに関する紹介記事です。
市民の健康増進に向けた実証を進めるため、伊予銀行、愛媛大学、市医師会、NECグループや愛媛大学など5者と連携協定を結び、40~70歳代の今治市民約150人を対象に、産学官で連携して実証データを分析し、市民が健康で長生きできる仕組みを作ることが目的の実証事業のようです。
こうやって見ると、住民向けの健康増進に関する実証事業は数多実施されているのを実感するところですが、裏返せば、広く普及可能なビジネスモデルが確立されてない状況と言えます。
競合他社の取組に劣位しないよう、迅速かつ果断に新しいチャレンジに取り組んでいく必要があります。
やっぱりこういう動きが出てきたかと思った取組。
国策である洋上風力発電の建設・設置で先行取組が進む秋田県ですが、県外からの進出企業との関係性を「環境・エネルギー」分野で留めるのではなく、県産品の販路開拓や人材育成などの分野での協力まで広げていこうというもの。
洋上風力発電の建設・設置のためには、住民の理解・協力を得る必要があり、そのためには自治体を含む地域社会との円滑な関係が重要になります。
すなわち、利益拡大という企業側の論理だけでは不十分で、企業活動が社会課題や地域課題の解決につながるという地域側の合意形成が不可欠です。
こういう動きは、競争戦略論の第一人者であるM.E.ポーターが提唱した「共通価値の創造(CSV)」にも通じるのですが、行政側も県外企業を誘致して終わりではなく、誘致後にも企業に相応の役割や責任を担ってもらうことでWin-Win関係の構築を目指そうという動きが出てきている証左と考えます。
某企業がよく言う「地域に寄り添う」という情緒的な話ではなく、お互いに戦略的パートナーシップをどう実現するかという機能的な議論が地域でも進行しているという現実を知っておいてもらいたいです。