マキアヴェッリ先生の研究室
Openness, Fairness, and Transparency
01 Regional Revitalization(地域創生)

2023Aug.07 Weekly Report:今週のキーワード

チームのために毎週配信しているメールに掲載したコンテンツの公開版です。

今週の注目キーワードは「共通価値(CSV:Creating Shared Value)」。

ハーバード・ビジネススクールのポーターが2011年に発表した論文で提唱した理論です。

ひと言でいうと、「経済的価値と社会的価値を同時に実現する」ことを目指すというものです。

今でこそ、社会的課題や地域課題を解決することがビジネスにもつながるということが一般化しつつありますが、ほんの10年くらい前には、企業が社会的な責任を負うことは負担につながり財務上マイナスである、という考え方が一般的だったわけです。

企業のCSRやフィランソロピーなどとCSVとが一線を画するのは、前者が企業が生み出した価値の共有や再分配を意味するのに対して、後者は経済的価値と社会的価値を全体的に拡大することに重きを置いている点にあります。

CSRやフィランソロピーが、企業側の一方的な経済的負担(企業にとってのリターンはブランド向上という測定不可能な曖昧な場合が多い)を担うのに対して、CSVは社会的価値を実現しながら、企業にとっても経済活動の支援や財務上のメリットをもたらす点が強調されています。

「そんな美味い話が世の中にあるのか?」という疑問に思われる人もいると思いますが、私自身が「地方空港の民間委託」をテーマに、このCSVの理論を用いた実証研究に取り組んでいます。

「美味い話がありやすぜ」と怪しい壺売りの商人のように、CSV理論に基づいた企画を企業や自治体に対して売り込めるように、実証研究を進めていきたいと思います。

ABOUT ME
マキアヴェッリ先生
フィールドサイエンティスト。 地方自治体、航空会社、デジタル企業とキャリアを重ねながら、地域課題・社会課題の解決につながるプロジェクトのマネジメントを推進中。 #PPP #PFI #価値共創 #地域創生 #カーボンニュートラル #サステナブル経営 #パーパス経営 #EBPM #ソーシャル・イノベーション