Audibleから提供される毎月のコインで、毎月1冊ずつ地道に購入していた『ロードス島戦記』。
昨日、無事に全7巻を聴き終えることができました。
日本発ファンタジー作品のパイオニアであり、メディアミックスというマーケティング史においても象徴的な作品ということは、以前の投稿でもお示ししたとおり(→参照:『ロードス島戦記』とメディアミックス)。
私にとっては10代の少年時代に触れて以降、30年ぶりの再会ともなる作品であったわけですが、読み(聴き)終えて残る余韻とすれば、主人公であるパーンの人生の選択。
騎士見習いから始まって、正騎士に登用される機会を度々得るだけでなく、時には、衰退途上にある王国の王位を狙うこともできる立場にありながらも、「王として救える大多数の民衆と、その救いの手からこぼれる少数の人々」という構図の中で、前者でなく、後者としての道を選び「ロードスの聖騎士」と呼ばれるようになります。
そういう意味では、『ロードス島戦記』という物語は、出世栄達を望んだ青年が、現実を知り、葛藤を覚え、苦難を乗り越えて、自身の生き方に到達する物語でもあったことに気付かされました。
10代の時には「面白かった」という感想だけで終わった作品が、40歳を過ぎて再び接触してみて、また新たな魅力に気付かされます。
『ロードス島戦記』の面白さは、世界におけるファンタジー作品の原点である『The Lord of the Rings』(邦題『指輪物語』)にも負けず劣らずかと。
というわけで、現在、『ロードス島戦記』の前日譚である『ロードス島伝説』も、移動やアポイントメントの隙間時間で、少しずつ読み進めています。
レビュー評価:
[itemlink post_id=”1920″]