今日から新年度である2021年度(令和3年度)が始まります。
前職であれば、この時期は、定期的な人事異動でによる引継ぎ等で慌ただしくしながらも、新部署での仕事への期待に胸を膨らまるという時期ですが、民間企業に転身してからは、公務員のように劇的な変化(例えば福祉行政から土木行政へ)というものには無縁だろうなと思っていたので、与えられた仕事をこなしつつ、課題対策に地道に取り組んでいました。
しかし、そう大きな変化が起きないだろうという予測が裏切られたのが、1ヶ月前。
4月1日からの新部門の創設と当該部門の管理職(部長)への昇進が突如として伝えられました。
昨年12月1日に課長からシニアマネージャーへと昇格したばかりだったし、私よりも社歴が長い、かつ、年齢が上というマネジャーも多々いましたので、「晴天の霹靂」の内示でした。
もちろん、コロナ禍でこれまでとパラダイムが変わってしまった業界や市場の中で、ほとんど休むことなく毎日ハードワークをし続けてきたことに、多少の自負はありましたが、それでも、それが昇進の理由になるということは露も考えず。
自分の実績や会社への貢献に自信もなかったし、特に、会社を取り巻く厳しい経済環境が厳しい中で昇進を果たすということに、妥当性を感じることができなかったため、いったんは辞退をしました。
けれども、上司からは「厳しい環境下だからこそ、『One Team』の精神で頑張ってくれた人に報いてあげないと社員全体のモチベーションが上がらないので、受けてもらわないと困る」と説諭され、また、以下のような評価理由もフィードバックがあったので、最終的に受諾することとしました。
- これまで欠如していたエリアマーケティングという概念を会社に持ち込み、自治体からの支援策を軸として、社内関係部門の連携・協力体制を強化した
- 社内に分散していた情報を収集し、整理し、議論する仕組みを作り上げ、部門間コミュニケーションの活性化をもたらした
- 他部門に属さない案件も率先して取り組み、課題整理やデータ分析等を行った上で、担当部門への引継ぎや展開を行った
私にとっては、何か新しいことを生み出したり、考えついたりしたわけではなく、要するに、会社や部署が何の脈絡もなく、バラバラに動いていたところを、きちんとベクトルを揃えて、PDCAを回せる「仕組み」づくりを行ったに過ぎません。
自分としてはたったこれだけのことで、当たり前のことだったのですが、他の部門の管理職たちから見れば、
- これまでやりたかったけど、やる余裕がなかったので助かった
- ブラックボックス化して、よく見えなかったことが、『見える』化されて部門間連携しやすくなった
- 定性的な報告ばかりだったところに、データからの知見や根拠が加わり、議論が深まった
という効果をもたらし、入社してわずか1年数ヶ月しか経たない間に、2段階昇進を果たす私に対する反対意見やネガティブな反応はなかったと聞きました。
多分、歴史があって、既にルールや手続きなどが明確に定められている企業に転職した場合には、こんな風に評価されることもなかったのでしょうが、会社設立後10年に満たない急成長中のベンチャー企業だからこそ、「仕組み」づくりが求められているという会社の課題やニーズにマッチしたんだろうなと。
もちろん入社前から期待されている部分であることは認識していましたが、お役所の仕組みづくりと、企業のそれとでは「アプローチが違うはず」と試行錯誤をしていた面もあります。
そんな慎重姿勢を貫いていたことを見抜いていた上司からは、更なる奮起を促す「まだ遠慮している部分があるんだよね。まだまだやらなければいけないことはたくさんあるし、まだまだ余力はあるはずだから、もっと暴れてください」という、激励の言葉をいただきました。
余力は全くないのですが、積み上がっている課題をひとつひとつ丁寧に見極めながら、大胆な一手を打てるよう、昨年度中に仕掛け始めた様々な取組を、今年度は改善・高度化・最適化を図っていきたいと思います。