チームのために毎週配信しているメールに掲載したコンテンツの公開版です。
今回のコロナ禍で打撃を受けた公共交通機関は航空だけではなく、バスや鉄道などのいわゆる地域交通は更なるダメージを受けました。
もともと沿線地域住民の人口減少やモータリゼーションの進展による利用者減少などで苦境に追い込まれていて、補助金により辛うじて維持できていたのですが、コロナ禍で自治体による支援の限界を超えて、路線廃止の動きが全国的に見られています。
「公共性があるがゆえに補助金で支える」という大義があったのですが、その公共性とは何なのか、他の様々な地域課題と比べて優先度が高いのか、代替手段を講じれば路線廃止も検討の余地があるのではないかと、もう「公共性」という言葉で思考停止をしている余裕もなくなってきたのが現状です。
秋田内陸線「きき酒列車」の取組も、その延長線上にある話で、通勤・通学といった生活需要だけでは鉄道事業の採算が取れないため、今回のようなイベントに取り組むことで、沿線地域住民以外の観光需要でカバーしていこうというものです。
現行のインフラ維持に取り組む努力を続ける自治体と、断念して代替策を検討する自治体と、今後、二極化が進んでいくことになると思いますが、我々としてはどちらの課題と向き合っていくのか、スタンスを明らかにして取り組んでいく必要があると思います。
「大学全入時代」なんて言われていましたが、今や全入どころか、供給(大学数)に対して、需要(学生数)が圧倒的に上回る供給超過により、大学が潰れる時代が到来しています。
日本の大学運営は、国からの交付金や補助金で賄われていますが、各大学教授に割り当てられる研究費については、大学によって大きな差異があり、地方大学になればなるほど「科研費」と呼ばれる、研究内容の企画提案に基づき配賦される競争的予算を頼りにしているのが実態です。
また、国に頼れないならば地域にということで、「地域創生」を錦の御旗に、自治体の政策に関与・連携をする形で、自らの研究を進め、成果を出していこうという動きも顕著になっています。
いずれにせよ、象牙の塔に籠もって、自分のやりたい研究を自分のペースで自由にするというイメージから懸け離れているのが現実です。
そういうわけで、大学も、大学教員も生き残りを目指す中で、自らの存在意義や社会的な貢献を対外発信するのか、という点に関しては大きな課題を残しているのが現状です。
ポケモンの世界大会があることをこの記事で初めて知ったわけですが、こういうイベントが開催されるようになったことで、コロナ禍からの脱却を実感しますね。
大きな経済効果が期待されるイベントということで、やはり日本のアニメ・ゲーム・漫画コンテンツの強さを感じます。
ただ、世界的なヒット作となっている『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』や、アジアを中心にロングランが続いている『THE FIRST SLAM DUNK』にしても、今から30−40年前のコンテンツで、その後に続くコンテンツが育っているか、という懸念も。
博打的な要素が強いですが、「次に来る」コンテンツをしっかりと目利きして、コラボすることで認知向上のためのリーチ範囲を拡大するアプローチなどを検討するのも面白いかもしれません。
①人流を把握できる人工知能(AI)カメラ、②スマホの無線信号から年齢や性別などの基礎情報を取得できるビーコン、③協力店が提供するPOS(販売時点情報管理)などの購買データを活用してのBI設計を行う取組です。
設計したBIから得られるインサイトを踏まえて、顧客層に合った誘客方法や催事をアドバイスするらしく、データ解析については大学生のインターンを活用するとのことです。
現時点で活用できる技術は活用している感じですが、残念ながら私の想像の域の範囲内だし、更に言えば、現在の顧客層や人流を所与として、マーケティングを展開していくということで、需要の「最適化」にはつながっても、需要の「創出」や「拡大」につながらないのではないかと思います。
そこにつなげるための仕組みや仕掛けをどう用意できるかが知恵の絞りどころですね。
こちらも観光DXの取組に関する先行事例です。
ナビタイムジャパンがアプリを開発の上、レンタサイクルを手掛けしまなみジャパンが、主なサイクリングコースと所要時間、観光情報などを提供し、しまなみ海道を訪れる利用者に地域の観光情報を事前に発信するとともに、レンタサイクルのキャッシュレスも導入するとのこと。
この類の取組で問題になるのは、数日間の旅行のためだけにアプリをダウンロードを促す行動が観光客にとって不便であり、結果として、ダウンロードが促進されなかったり、その旅行の時だけアプリを活用して、旅行が終了したらアプリが削除されたりして、データの収集や活用が限定的になること。
そうなると顧客データを踏まえたリコメンドなどからは程遠く、プッシュ型の広告配信になってしまうという課題があります。
また、アプリの存在自体が埋もれてしまい、そのアプリの存在が知られないまま、旅行が行われることもよくある話。
アプリを開発して終わりではなく、知ってもらい、活用してもらうところまで視野に入れたマーケティング活動が重要です。