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今週の注目キーワードは「キャズム理論」。
キャズム理論とは、新たな製品が世に出た際に、その製品が市場に普及するために乗り越える必要のある溝について説いた理論で、ジェフリー・ムーアが説いたことで有名です。
具体的には、イノベーター理論におけるイノベーター・アーリーアダプターを「初期市場」、アーリーマジョリティからラガードまでを「メインストリーム市場」とし、これらの間にはキャズム(大きな溝:市場に製品を普及させる際に超えるべき障害)が存在しており、これを乗り超えることが市場を開拓するうえで重要だとする理論を意味します。
- イノベーター(革新者、市場全体の2.5%)
- アーリーアダプター(初期採用者、市場全体の13.5%)
- アーリーマジョリティ(前期追随者、市場全体の34%)
- レイトマジョリティ(後期追随者、市場全体の34%)
- ラガード(遅滞者、市場全体の16%)
このキャズムと似たような理論として、研究開発業種の事業開発が遭遇する障壁に関するものがあります。
- 魔の川(デビルリバー):基礎研究から応用研究に移行する際の壁です。基礎研究で高い技術を開発したとしても、市場での有用性が発見できず、応用研究に進めないということが起こります。
- 死の谷(デスバレー):応用研究からニュービジネスもしくは製品開発までの壁です。技術シーズを市場のニーズに結び付けるマーケティング力の強化が必要となります。
- ダーウィンの海:製品を市場投入後に、市場環境で生き残れるか否かの壁です。
新商品を開発し、市場で普及させるためには、これらの障壁を乗り越えていく生存競争(適者生存)に勝ち残る必要があるというシビアさを感じさせる理論です。
新規商品やサービスを開発し、市場展開していく際には、自社の商品・サービスがどの段階にあって、どんな障壁があるのかを意識することで、陥りやすいボトルネックの回避や打つべき対策などが明らかになるので、この理論は押さえておきましょう。