チームのために毎週配信しているメールに掲載したコンテンツの公開版です。
■新幹線のCO2削減サービス JR東海、ネット予約でも
脱炭素もいよいよビジネス化してきたことを感じさせる記事。
「東海道新幹線の移動時の二酸化炭素(CO2)排出を削減するサービスをインターネット予約「EXサービス」から利用できるようにする。脱炭素への意識が高い顧客の裾野を広げる。」ということで、脱炭素への意識が高い顧客というのが一定数存在していて、ビジネスになるという算段をしたということです。
対価を払って新幹線移動のCO2を相殺したと認定する「カーボンオフセット」の提供が中身ということで、CO2排出量削減を進めたい企業にとっては、現状ではカーボンオフセットの選択肢に乏しい航空機よりも、新幹線移動を選択することにつながります。
CO2削減という社会的価値の実現と、航空旅客争奪という経済的価値を同時に実現するJR東海のCSV戦略だと思いました。
■欧米豪シフト 勝負の年 道内観光、脱東アジア依存
全国各地でインバウンドによるオーバーツーリズムが課題になりつつあります。
その反省もあって、観光客数という数を追い求めるのではなく、滞在日数が長く、客単価も高く、自然や文化への関心が高い欧米豪からのインバウンドを誘客しようというのが、コロナ禍前からのトレンドになっていました。
北海道では、昨年、アドベンチャートラベル・ワールドサミットが開催されたこともあり、体験型観光「アドベンチャートラベル」をテーマに、北海道観光を売り込む動きが本格化しています。
その一環として、2023年12月、格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパンが成田空港と旭川空港を結ぶ定期便を就航したことを契機に、国内客に加え、成田空港を使うインバウンドを取り込む動きが報じられています。
各地域では、地元空港に直航便を就航させ、直接インバウンドの受入を図る自治体もありますが、成田や関空など海外便が多数就航している空港を経由して、自地域へ引き入れるアプローチを取る自治体もあります。
特に、今年以降は、大阪万博で多数のインバウンド観光客が関空に多数押し寄せることを念頭に、関空経由のインバウンド誘客という戦略を立てる地域も多数出てくると想定されます。
■能登地域、進む過疎・高齢化 交通網脆弱、打撃大きく
先日の能登半島地震による影響と、構造的に進んでいた過疎・高齢化についての記事。
今後、復興を図る上で、地域の過疎・高齢化という問題は考慮すべき重要な要素です。
震災以前と同様の水準に復旧するのか、震災以前よりも人口の増加・定着が図れるような地域にしていくのか、それとも、違う道を選択するのか、と難しい課題を突き付けられると思います。
今後、復興に向けた大規模な政府資金が投入されると思いますが、能登地域をサステナブルにするために、我々として、どのような支援・協力ができるのか検討を始めたいと思います。