鹿児島県知事選の選挙活動期間に入り、各候補者もぼちぼちマニフェストが出揃ったので、前回4年前と同様に、マニフェストの比較分析を行おうと思いましたが、少々躊躇っていました。
躊躇った理由のひとつに、今回は、戦後最大7名の候補者が立候補ということもあり、各陣営の支持者の運動がヒートアップし、ひどい場合には、誹謗中傷のレベルに到達している印象です。
更に、それが私が普段交流している人々同士の間でも、繰り広げられる様を見ていると、心が痛くなることもあり、対立が燃え上がっているところに、ガソリンを投下するのも、余計に対立を先鋭化するリスクもあると考えました。
そこで、Twitter上でも、感情的な誹謗中傷合戦を展開するのではなく、候補者が提供する材料を踏まえた、冷静かつ合理的な議論を呼び掛けたところです。
鹿児島県知事選挙が始まり、各陣営のSNSの使い方を見てると様々ですね。
そして、関係者かどうかわかりませんが、建設的批判ではなく、誹謗中傷レベルも少なくないですね。
論戦にも参加しない、自らの信念や考えを発信しない候補者もいるわけです。— マキアヴェッリ先生 (@EPYON_FELIX) June 28, 2020
中には、特定の候補者の誹謗中傷だけを目的としたアカウント(通称「捨て垢」)を作成して、Twitter上で根拠なき風評(デマ)を流している人も存在するようです。
捨て垢の特徴としては、以下のようなものがあります。
- アカウント作成日が、2020年4月以降で新しい
- 鹿児島県知事選挙以外の話題に関してはほとんど触れてない
- 発信内容が、感情的で、根拠やリソースに乏しい
TwitterをはじめとするSNSは、個人が自らの意思や考えを表明する上で、重要かつ最適なツールです。
法治国家である日本では、「言論の自由」も認められているし「 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由」も認められています。
しかし、民主主義を維持するためには、有権者が情報をインプットし、自らの政治的意思を適切に行使できることが必要です。
民主主義にとって、それだけ重要なプロセスであることから、その精神を貶めるような行動を取った人物に対しては、虚偽事項公表罪という、以下のペナルティが科されます。
- 当選を得させない目的をもって公職の候補者に関し虚偽の事実を公にし、又は事実をゆがめて公にした者は、4年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する
- 選挙権及び被選挙権が停止
SNSは匿名性が高いので、気軽な気持ちで取り組んでいるつもりかも知れませんが、選挙活動期間中の軽挙妄動は、自分自身の不利益に返ってきます。
もちろん、各人が個人的信条をもって特定の候補者を応援することは構いませんし、他の候補者を批判することも構いません。
でも、選挙権を持った大人なのであれば、合理的な理由と根拠を示しましょう。
それなくして、捨て垢を作ってまで、他の候補者を敵とみなして、誹謗中傷活動をするのは、教祖を奉り、無自覚・無条件に信仰しているカルト教団のような見えて、逆に、中立で穏健な支持者が離れていくことを認識すべきです。