2019年12月に転職をした際には、リモートワークを導入している会社が少なく、自分自身のワークスタイルだけでなく、ライフスタイルも変わるんだろうと、胸を高まらせていました。
とはいえ、それによって具体的にどのような変化が生じるのか、仕事の生産性に影響を及ぼさないのかということも気になったので、スコット・バークン『マイクロソフトを辞めて、オフィスのない会社で働いてみた』(新潮社)を読んで、自分の頭の中の妄想を広げていました。
原著は2013年(翻訳は2015年)発刊で、原著の副題として”Future of Work”(仕事の未来)とあり、2013年時点で「未来の出来事」として起こり得る働き方の変化を探った本でした。
リモートワーク下におけるワーク・ライフ・バランスであったり、チーム・マネジメントであったりが参考になる本なのですが、初読の2019年9月の時点で、ここに書かれたことが2年後には全て現実化する、いや、更に進んだ形になるなんてことは予想だにできませんでした。
リモートワークなんていうのは一部の先進的な企業の取組だと思っていたのですが、今や多くの企業でデフォルトで導入され、しかも、企業だけでなく、個人としても導入可能なツールになっているわけですから・・・。
当然のことながら、私もそのようなツールの恩恵を受けて、今やオフィス出勤が月に数日となり、いったいどこが仕事の本拠地なのか定義しづらい状況となっています。
「地域創生」に関わる仕事をしているため、オフィスを起点として考えるよりも、空港を起点としてスケジュールを組んでいる状況であり、今までは出張先での用務を終えるとすぐに帰宅というのが一般的な行程でしたが、今では用務を終えても2~3日は現地に滞在し、街中を散策したり、観光スポットを訪れたりということをしています。
エリアマーケティングの感性を磨くために、その土地土地の空気感を感じ、新たな気づきを得、次の施策につなげる人的ネットワークを構築するための仕掛けを用意したりすることが多いです。
そんな中で、最近、地方都市でも駅前ビルを中心に有料コワーキングスペースが増えていることが確認されており、私のようなノマドワーカーにとっては非常にありがたいです。
単に作業スペースを確保できるというだけでなく、何度となく足を運んでいると「常連さん」のような方々と顔馴染みとなり、そこから新たな機会を得ることができるからです。
不満点を挙げると、コワーキングスペースの使用料が1時間当たり数百円かかる所が多く、私のような一見さん(時間借り)の場合には、1日仕事をしようと思えば、1000~2000円ほどコストがかかるという点です。
だったら、コーヒー1杯で時間を気にせずにスターバックスで作業しようというせこい考えが浮かんだりします。
結局のところ、コワーキングスペースをどのような「場」として位置づけるのかという点について、その土地土地での方針や哲学を明確にすることが重要だと考えています。
単に作業の場として個人が使用する場所なのか、それとも、異業種交流の場として、そこで知り合った人々による新たなビジネス機会の創出の場とするのか。
これによって、コワーキングスペース内の設備や備品などが大きく変化するし、ミーティングルームなどのレイアウトも大きく変わってくるだろうなと。
鹿児島県庁18階の桜島の眺望が見える絶景の場所にコワーキングスペースができるという情報もあります。
「鹿児島県庁18階コワーキングスペース整備事業業務委託」に係る企画提案の募集について(審査結果を掲載しました) https://t.co/5YyyHvOL80
仕事の新しい拠点の一つにしようかな。#進撃の社畜
— マキアヴェッリ先生 (@EPYON_FELIX) September 12, 2021
多くのコワーキングスペースが商業施設やリゾートスポットに設置されることが多い中で、行政施設内に配置(しかも行政からの業務委託)するという興味深いプロジェクトです。
それこそ設置の狙いや目的などは、既存のコワーキングスペースとは大きく異なるはずなので、このプロジェクトがどのように進展するのか注目していきたいと思います。
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