チームのために毎週配信しているメールに掲載したコンテンツの公開版です。
小樽商科大学など北海道内の3国立大を運営する北海道国立大学機構が、機構発スタートアップ第1号にヘルスケア事業を手掛けるエイチスリー(札幌市)を認定したという記事。
アプリの内容は、医師が指示した運動療法を基に、スポーツジムが個人の運動プログラムを作成するというもの。
エイチスリーはオカモトホールディングス(帯広市)傘下でスポーツジム「JOYFIT」を運営するオカモトと連携の上、早ければ24年度にも北見工大と共同で専用アプリの開発に着手し、歩数や脈拍といったデータを集約し、法人顧客を対象とした健康経営をターゲットにするようです。
大学機構は傘下に工学部や大学病院などの組織を持っているので、このようなヘルスケア系の事業を始めるに当たり、十分なシーズを持っているんだろうなと思いつつ、「ダーウィンの海」(※「今週のキーワード」参照)を無事に泳ぎ切れるのか、これから勝負というところですね。
この記事を読んで意外だったのは「北関東は全国有数の車社会だ。自動車検査登録情報協会(東京)のデータでは、人口あたりの自動車保有台数は群馬県が全国1位。2位は栃木県、3位に茨城県と続く。」という内容(愛知県が日本一だと思ってました)。
この背景にあるのが、商業施設や公共施設が駅から離れた場所にあり、自動車でないと行きにくいという、コンパクトシティとは正反対にある街づくりの結果というのが、この記事の主張。
茨城県はつくばエクスプレスの延伸、栃木県では次世代型路面電車(LRT)の開業など公共交通を軸とした地域社会への転換を図ろうとしている中、群馬県の動きが鈍いことに対する警鐘を鳴らしています。
交通の利便性が低下すると、企業誘致や移住促進、観光誘客など地域経済面でのデメリットが大きいので、マイカーだけに依存する交通体系は都市競争力にもマイナスの影響があります。
人口減少社会における地域公共交通のあり方も目を背けてはいけない重要課題です。
畳産業なんて既にオワコンだろうと思っていたのですが、様々な形の畳をパズルのように組み合わせ、織り目の角度をずらすことで違う色を出すことで、計算された陰影による1枚の絵を描くという、芸術的な感覚に感動を覚えた記事です。
昔読んだ原研哉の『デザインのデザイン』という本で書かれていた「新奇なものを作り出すだけが創造性ではない。見慣れたものを未知なるものとして再発見できる感性も創造性」という言葉が頭の中で響きました。
我々が取り組んでいるはずのデスティネーション開発であったり、誘客促進であったりの業務は、本来、こういう性質の仕事で、情報が溢れているコンテンツに対して、違った見方や捉え方を提案して、興味関心を喚起し、「是非行ってみたい」という動機付けを与える仕事なんだろうと。
こういう感性は大事にしていきたいと思えた記事でした。
自転車ロードレースのプロチーム「宇都宮ブリッツェン」を運営するサイクルスポーツマネージメント(宇都宮市)と宇都宮大学は、自転車の活用が地域活性化にどれだけ貢献しているかを数値化する共同研究に乗り出すという記事。
日々の自転車通勤・通学による健康増進効果、レース活動やサイクリングイベントの経済効果、交流人口の増加数、地域住民からの愛着度合いなど多岐にわたる自転車活用の効果を検証するというものです。
サイクル・ツーリズムをはじめとして、自転車を活用した地域振興策は徐々に地域で拡大しているようですが、サイクリングブームに乗った動きが主流で、明確なエビデンスを持っての取組ではないため、今回の実証実験により有為な結果が得られれば、自転車を活用した街づくりが一層進展する可能性があります。
宇都宮大学の取組については引き続きサーベイします。
山形市が、慶応義塾大学SFC研究所やJR東日本と連携して共同研究を始めました。
市内の隠れた観光コンテンツを掘り起こし、交通手段などと組み合わせ、旅行者の希望に沿って紹介できるような「日本一の観光案内所」を目指すということですが、何をもって「日本一」とするかはこれから検討のようです。
一見荒唐無稽なような感じもしますが、コンセプトづくりにおいて、「日本一」を基準にすると、色々とアイディアが湧いてきて面白い取組だと思います。
コンセプトから機能を整理していく段階で、色々と連携企業が広がっていきそうな気がします。