今夜は友人と「人生とキャリア」について語らう。
学生時代には、豊富な選択肢があって、その選択肢の一つひとつの延長線上にある未来を自由に語り合っていました。
しかし、社会人になり、組織で働くようになると、その職業における能力を身に付け、組織文化に馴染み、そして、家族を持つようになって、気が付いてみれば、極端に狭い隘路に迷い込んでしまったかのように思える時があります。
可能性が少なくなったということは、「現実」に向き合って生きることを余儀なくされることであり、そのことが時には人を不安にします。
「このままで良いのか」「もっと違う人生があるのではないか」「自分らしく生きているのか」というのが友人の発した言葉。
「無い物ねだりをするのではなく、これまでの自分の人生の歩み、そして、その中で自分自身が獲得してみたものを振り返ってみれば」という言葉が私の口から出た時に、私の脳裡の中に浮かんでいたのは、『機動戦士ガンダム:鉄血のオルフェンズ』の三日月の言葉。
「けど、今は……オレには……オルガがくれた意味がある……何も持っていなかったオレのこの手の中に、こんなに多くのモノが溢れている。そうだ、俺たちはもうたどり着いてた……俺たちの本当の居場所・・・・・・。」
最近、私自身も自分のキャリアの振り返りをしてみたのですが、当時は「クソ仕事」と思っていた仕事の一つひとつが、現在の自分の思考方法やスキルに直接的に繋がっていて、これまでの自分の歩みに「無意味」「無価値」「無駄」なものはひとつもない、ということを認識しました。
多分、それは誰もが同じで、異なる点があるとすれば、それを自分が意識できるレベルまで掘り起こせるのか、そして、それを自分の将来のキャリアに活かせるように意味づけをできるか、ということ。
キャリアやスキルというのは自然と形成されていくのではなく、自分自身で積極的に意味や価値を付与する必要があります。
それなくして、無闇矢鱈に資格取得やタイトル獲得を図っても、自分自身が望むゴールには辿り着けないのかもしれません。
ただ、ひたすらに前(未来を)見るのではなく、辿ってきた足跡(過去)を丁寧に見ることで、新しい自分に気付くこともあると思います。