エジンバラ市内散策(17.5km)
一路 Heriot-Watt Universityへ!
今回のスコットランド訪問の大きな目的のひとつは、かつて通信教育(Distant Learning)で学んだHeriot-Watt UniversityのEdinburgh Business Schoolにおける再履修手続きに向けた協議を行うこと。
今から10年前の上海駐在時代に、同ビジネススクールでコア科目6科目を履修したものの、MBA取得に必要な選択科目を履修せずに、そのまま時間が無為に経過してしまいました。
当時は地方公務員という職業柄もあり、MBA取得に向けた費用と労力のP/Cが見合わないと考えたため見送りましたが、民間企業に転身してマネージャー職に就いたこともあり、今後のキャリアを考える上で、MBAを取得しようと前向きな気持ちに変わってきました。
そこで、当時はOnline Campusで学習したため、実際に足を踏み入れたことのない同ビジネススクールを直接訪問して、再履修に向けた単位の移し替えやMBA取得に向けた受講計画について、個人指導教員の面談を受けることにしました。
同ビジネススクールは、エジンバラ市郊外にキャンパスを構えているため、朝9時台のスコットランド鉄道に乗って、最寄り駅で降車することにしました。
グラスゴー中央駅から5駅(20分)で最寄り駅のカリーヒル駅に到着しましたが、降りてみると、周辺には何もない草原が広がっていました。
こんな所に大学があるのかと不安になりましたが、15分ほど歩いていくと、大学入口らしきものが見つかり、ビジネススクールの所在地も確認できました。
ランキングよりも理念
私が10年前に、Edinburgh Business Schoolで履修しようと思ったのは、そもそもMBAの通信教育はイギリスの多くの大学院が取り組んでおり、その中には、OxfordやCambridge、Londonなどの超一流と評価される大学も含まれていました。
しかし、これらの一流大学のMBAは、入学要件としてIELTSに代表される英語試験におけるハイスコアが求められており、実際にMBAを学び始めるまでに越えるべきハードルが高いという問題がありました。
一流大学に相応しいステータスを維持するために、ハイレベルな英語力を有する学生を求めるというロジックは正しいとは思うのですが、他方で、”Harvard Business Review”のように平易な英語で書かれた論文も多数存在する中で、ビジネスの基礎知識やスキルを習得するのに、それほど高度な英語力が必要とされるのかという点に関して疑問がありました。
そのような状況において、偶々目にした同ビジネススクールの“the opportunity to choose where, when and how you study”という理念に共感を覚えました。
仕事を退職して、あるいは、企業から派遣されてMBAを学ぶフルタイムという選択ではなく、仕事をしながら、自分のペースで継続学習していくためには、テキストとOnline学習中心で無理なく修了できるカリキュラムの柔軟性が必要でした。
更に、自分のように日本の地方公務員といった少数者に対しても、相応のサポートを行ってくれる支援体制が整備されていることが重要でした。
当時、この2点を満たしたのが同ビジネススクールであり、10年経過した現在でも、その理念は失われるどころか、益々磨かれていることを発見しました。
まず私が面談を希望をしたのが土曜日の午前中で、大学構内はほとんど学生がいない日(休校日?)であったにもかかわらず、個人指導教員は2時間近く、私の過去の受講成績と最近のカリキュラム改定について説明の上、再履修に向けた助言を丁寧にしてくれました。
また、近年はドバイ校やマレーシア校などの海外キャンパスを展開するとともに、中国やインドをはじめとした多様な国籍の受講生増加についても説明してくれて、ダイバーシティが一層進んだことを感じ、私の存在が決して少数者ではなくなったこと感じました。
結局のところ、ビジネスの世界では学位や学歴よりも「実績」「結果」が求められるものであり、私自身にとってもMBA学位そのものは手段であり、その過程において、ビジネスの新たな概念やツールを学びたいという思いから、MBAのDistant Learningを始めようと考えたわけです。
その観点からは、ランキングにこだわるよりも、自らが学びたいと思える大学で、MBA取得までモチベーションを維持し続けることこそが重要であり、エジンバラに来て、まだ2日目ですが、何度でも訪れたい街であると思えることが、Edinburgh Business SchoolでMBAを取得しようと決断する決め手になりました。
歴史と科学の発展を感じることができる街
午前中のEdinburgh Business Schoolでの面談を終えて、午後はまたエジンバラ旧市街に戻ってきて、エジンバラ城とスコットランド国立博物館を訪問しました(詳しい内容については、tabinocoに記述した「エジンバラ散策」を読んでください)。
エジンバラの街並みを観ながら、エジンバラ城とスコットランド国立博物館を訪問して感じたことは、歴史や景観を大事にしながらも、科学やテクノロジーの追究に対しても誇りと意欲を持っている地域であること。
あたかもテーマパークであるかのようなスコットランド国立博物館の中には、蒸気機関の改良を施し、産業革命の道を開いたジェームズ・ワットの彫像が静かに佇む一方、クローン羊ドリーの剥製も展示されています。
このような進取の精神に溢れた街が、自分の中でのイノベーションを起こしてくれるのではないかという期待感があります。