チームのために毎週配信しているメールに掲載したコンテンツの公開版です。
「日本の借金」と一般的に言われる政府債務残高はいくらか御存知ですか?
答えは約1250兆円で、米国の約2300兆円に次いで世界2位です(為替レートで金額は上下しますが、順位に変動なし)。
対GDP債務比となると、日本のGDPが500-550兆円なので約250%と、これまたG7国でワーストとなります。
財政状態が厳しいのに、社会保障費の増加は続く、ウクライナ情勢に端を発する安全保障の充実のために防衛費は増やす必要がある、危機的な少子化対策のための予算も増加は不可避ということで、財政需要は大きく、引き続き政府債務残高は増える見込みです。
そんな中で、隣国中国の「隠れ地方債務」に関する記事が掲載されました(情報ソース)。
地方債務だけで1100兆円と、なかなかパンチの効いた数字です。
現在の世界経済を成長させるエンジン機関として米国経済と中国経済があるのですが、中国経済の指標に重きを置いても仕方がない理由として、中国経済関連統計指標の正確性に疑義が残るためです。
正しい経済分析をするためには、その根拠となるデータや経済指標も正確であることが求められますが、「人治」の国の中国では、役人が自らの立身出世のために、政策効果を過大評価したり、不始末を隠したりしようとするあまり、統計の数字を改竄したり、隠蔽したり、というのは日常茶飯事です。
各地方政府のGDPを積み上げたら、国全体のGDPの2−3倍になったという笑い話もあるくらいです。
なので、私は中国経済の統計指標は無視して、米国経済の統計指標を重視します。
GDP世界2位の中国経済をフォローしなくて、正しい世界経済のトレンドが理解できるのかと疑問に思う方もいるかもしれませんが、それは中国経済の構造、すなわち、米国経済との依存関係から米国経済の分析だけでも相当程度はカバーできるというのが私なりの結論です。
詳しく書くと、また長くなってしまうので、今週はここらへんで終わりにしておきます。
今週もよろしくお願いします。