チームのために毎週配信しているメールに掲載したコンテンツの公開版です。
「サステナブルツーリズム」という言葉は踊れども、いったいどういうものなのか定義が曖昧なまま、各地で取組が進んでいます。
こういう場合は、色々な事例から共通する要素を抽出して、帰納法的に「サステナブルツーリズムとは」という概念を整理した方が、物事がスムーズに動くと思いますので、岐阜県の事例を御紹介。
岐阜県の取組としては、地域固有の観光資源である薬草園や和綿づくり、料亭の日本庭園など長良川流域に眠る、地域の文化や歴史に根ざした観光資源を活かしながら、自然を歩くウォーキングやマッサージ、温泉療養など新たな切り口の観光プログラムを練る、という内容。
「サステブル」という言葉にも込められた目的や内容は多様なので、今後も色々な事例をフォローしていきたいと思います。
先月、同社を訪問して意見交換した際に、同社からの情報提供のあった情報がこちらで、ようやく記事化されました。
人によるもてなしを充実させながら、機器を活用した省人化・省コスト化をどう進めるかという業者の課題や悩みを解決するため、実際に施設を作って、そこで実験することによりソリューションを考えようという大掛かりな仕掛けですが、それだけに真剣さを感じる取組です。
同社はもともとホテル予約システムの会社なのですが、本業から派生して、関連分野に手を広げていて、企業戦略を考える上でも色々と示唆の得られるケースだと思います。
市内の患者、総合病院、オンライン処方の各データを結ぶ会津若松市の「都市OS(基本ソフト)」を活用して、医師と患者が日々の血圧や服薬といった健康データを共有し合える仕組みを整え、今後はオンラインの自動決済や処方箋、問診などで病院滞在を15分前後に縮める計画も進められているようです。
患者が日々、スマホアプリに記録する血圧や体重等について、患者本人が事前に同意した場合、担当医も血圧の推移などの健康データを確認でき、診察に生かすことができるというもの。
医師がオンラインで処方した薬もアプリに記録され、医師は患者の服用薬を一目で把握できるなど、オンラインでの決済や処方箋、問診などで医療のプロセスをがらりと変わるようです。
こんなことができるのは、アクセンチュアが元医師や元エンジニアなど、顧客の事情に詳しい人材を抱えるとともに、会津若松市でも一定の規格やセキュリティを担保しながら、多様なサービスと繋がる基盤となる「都市OS」を整備・運用しているから。
地域側の基盤整備の水準がどの程度なのかも把握した上で、提供する価値やサービスを合わせていく必要がありそうです。
農林水産物の輸出額が全国都道府県で過去最高を記録しています。
これは著しく輸出量が伸びた(=海外での日本産食品の需要が急激に高まった)というわけではなく、貿易額は基本的にドル建てなので、円安の進展により、ドル建て輸出額を円換算すれば、円安の分だけ輸出額が増えるというトリックです。
そこらへんの裏事情については新聞報道で細かく書かれることはないので、日本産食品の海外人気が高まっているように勘違いする人が少なくありません。気を付けましょう。
この記事の目新しさは、農林水産物=食品と思いきや、なんと「錦鯉(ニシキゴイ)」だったというオチ。
アジア各国では富裕層を対象に、邸宅やホテルに日本式庭園を整備することが数年前からブームになっています。
日本では老人の趣味である「盆栽」も、海外では富裕層のステータスを象徴する商品ということで、以前から急激に盆栽輸出が伸びていました。
その流れを考えれば、錦鯉の人気も宜なるかな。
鹿児島県産の牛肉と豚肉をスーツケースに詰めて、ASEAN諸国で売り歩きをしていた自分の経験で、思いもよらないバイアスにかかっていた反省事例として取り上げました。
大型バス2台分の定員70-80名のリージョナルジェット機材で、地方間路線を運航しているフジドリームエアラインズ(FDA)。
どんなに小さい機材でも180人乗りが主流である主要航空会社を尻目に、それほど大きな需要は見込めないものの、一定程度の確実な需要が見込める地域に着目して、思いもよらない地方路線を就航させる手腕に感心していました。
チャーター事業も積極的に行っていて、アクセスしにくい離島へのチャーター運航をしたりするなど、地方にとっては新規航空需要をもたらしてくれる「地域創生のお手本」のような会社です。
そんなユニークな航空会社であるFDAも燃油高の高騰で長距離運航は採算が取れないということで、今回の路線休止を決定したようです。
FDAの路線休止が、一時的な燃油高によるものなのか、それとも同社の戦略転換によるものかは、暫く同社の動きを注視したいと思います。