チームのために毎週配信しているメールに掲載したコンテンツの公開版です。
今週の注目キーワードは「サステナブル・ツーリズム」。
某公募事業の企画提案書で、同テーマを事業コンセプトに盛り込んだので、真面目にサーベイしてみました。
現在の日本で、サステナブル・ツーリズムを積極的に推進している機関は日本政府観光局(JNTO)で、どちらかと言えば、コロナ禍前に一部の人気観光地で見られた、訪日外国人が殺到し、地域住民との摩擦を引き起こしたオーバーツーリズムに対する反省や対策という文脈で議論されているようです。
ただ、それは日本の事情による解釈であって、国連世界観光機関(UNWTO)によれば、サステナブル・ツーリズムとは「訪問客、産業、環境、受け入れ地域の需要に適合しつつ、現在と未来の環境、社会文化、経済への影響に十分配慮した観光」を意味します。
言い換えれば、旅行者、観光関係事業者、受け入れ地域にとって、「環境」「文化」「経済」の観点で、持続可能かつ発展性のある観光を目指すというものです。
以前から欧米で盛り上がっている「ガストロノミー」や「スローフード」「スローシティ」等の動きの方が、むしろ親和性があるのかなと思ったりしています。
私が注目しているのは、持続可能かどうかの基準は国際機関が定め、これを満たした企業や地域が認証され、エコラベルを取得できるという動き(情報リソース)。
インバウンドを呼び込むための付加価値的なツールになるということであれば、認証取得のためのコンサルティングなどは自治体や観光関連企業向けのビジネスの種になるのではないかと考えます。
ただ、日本の認証ビジネスは、認証取得後に集客や売上増加に必ずしもつながってないというマーケティング面での失敗事例(墓標)がたくさんあるので、認証ビジネスに手を出すのであれば、認証取得後の集客や売上増加につながる仕組みや仕掛けを一体として提供する必要があります。
ここらへんについては、アルベルゴ・ディフューゾも含めて、サーベイと整理を進めているところなので、ある程度まとまった段階で、皆さんに共有の上、議論を深めていきたいと思います。