チームのために毎週配信しているメールに掲載したコンテンツの公開版です。
■海の環境問題 ウニで発信
岩手県洋野町で開催された、北三陸の海から特産のウニを通じ、脱炭素と第1次産業の未来を考える催しです。
生態系のバランスが崩れた海の砂漠化現象とも言われる「磯焼け」や、ブルーカーボンの国内最大の造成エリアである洋野町における海藻の群生地(藻場)が持つ地球温暖化の抑制効果が議論されただけでなく、冷蔵庫でも冷凍庫でもない第3の低温保管技術や東京・西麻布のフランス料理店による海底動画の紹介も行われたようです。
ウニという単品目から、サステナブルなエコシステム全体を研究者や経営者が多面的に取り上げるという、経済と環境の両面を意識した素晴らしい企画だと思いました。
しかも、これを県や市というレベルではなく、町という単位で実行できたのが、首長のリーダーシップによるものなのか、はたまた、民間企業リードによるものなのか、個人的に興味が湧いた取組でした。
かつては歩道を占拠して騒音やゴミを出す屋台や、道路の占用許可を勝手に他人に渡す「名義貸し屋台」が社会問題となり、10年前に屋台営業のルールを定めた「屋台基本条例」を制定する際には、廃業を余儀なくされる屋台が多数出ると、話題になりました
その後、条例に基づく規制の下、市役所リードで屋台を支援してきたところ、「博多メシ」の屋台が6軒、市の公募に応じ新たに営業を始めたようです。
単に昔のままの屋台を復活させるだけでなく、復活した屋台街への誘客のため、市は「屋台DX」と称して利便性の向上にも取り組むのが興味深いところ。
地元IT(情報技術)企業、LINE Fukuoka(福岡市)と対話アプリのLINE(ライン)に公式アカウントを設けて長浜屋台の営業や混雑状況を配信するというサポートを行っています。
今日と明日の福岡出張では飯塚市宿泊なので、今回は訪れることはできませんが、また次回以降の福岡出張の際に、リニューアルした屋台を訪れてみたいと思います。
移住・定住促進が成功している自治体を見ていった際に、成功要因のひとつではないかと思われることに、地元で古民家をリノベーションに取り組むグループの存在があります。
移住・定住の目的に「田舎生活への憧れ」がありますが、人口減少に悩む僻地になればなるほど、賃貸物件が少なく、かといって移住者のための施設を建設する財政的余裕もないというのが実態。
他方で、かつての住人は地域外に出てしまい、空き家のまま手付かずとなっている物件が問題化しており、需要と供給の両面で解決するのが空き家のリノベーションということで注目が集まっています。
田舎に行けば、就業先の確保も難題なのですが、雰囲気のある古民家を活かしたビジネスを立ち上げて、就業の問題も一石二鳥で解決するという動きもあるようです。
古民家再生で、新たなコミュニティが誕生しているようなので、これらのコミュニティの動きを引き続きフォローしていきたいと思います。
台風や集中豪雨時に、現在地の位置情報や気象、道路通行情報などを組み合わせてリアルタイムで伝え、個人ごとに最適化された避難経路などの災害情報をスマートフォンに自動配信するサービスをNTTデータが開始するという記事。
B2Bビジネスで、利用料を企業から取るというビジネスモデルのようですが、ターゲットの妥当性はともかく、NTTが本気になれば、ここまでできるんだというデータ活用のお手本的な事例。
災害時には、刻々と変化する様々な情報を収集・分析し、最適な解を即座に判断することが求められるため、自治体に設置される危機対策本部などでは数十名から数百名体制で事態に当たります。
梅雨の時期や台風シーズンには、頻繁に危機対策本部が設置されることから、その度に大量動員がなされるわけで、人的負担が大きい分野です。
このようなデータ活用で、その負担を軽減し、災害対策を効率化できるのであれば、自治体のニーズは強いんだろうなと思ったサービスです。