マキアヴェッリ先生の研究室
Openness, Fairness, and Transparency
09 Column(コラム)

人の足を止めるのは絶望ではなく諦観

COVID-19の感染拡大により在宅ワークが中心となり、6月の日本政府による緊急事態宣言の解除までは、出張どころか、外出も極端に控える「引き籠もり」生活であったため、気が付けば、FY2020の上半期(Q2)が終了し、下半期に突入しました。

私自身の生活だけでなく、社会や産業も大きな変化や対応を余儀なくされ、その変化や対応に合わせて個人や企業も変わらざるを得ないという状況になっています。

そうした中で、私の身の周りの人々も大きく2つのタイプに分かれつつあります。

ひとつは、「何が正解かわからないが、悩んだり、思考停止している暇があったら、兎にも角にも実行に移し、そこで考え、また新たな局面を作っていく」タイプの人間。

もうひとつは、「この変化は一時的な苦境であり、時間が経てば元通りになるはずなので、ひたすら時間が経過するのを待とう」というタイプの人間。

私はどちらかと言えば、前者のタイプの人間であるので、これまでお付き合いしてきた人々も、そういうタイプの人間と思っていたのですが、たまにOnlineミーティングなどで顔を合わせると、アグレッシブな姿勢が影を潜め、自信なさげな様子に見えたりします。

聞くところによれば、会社から雇用調整助成金のための自宅待機を命じられており、結果として、ますます社会や地域の変化に対する感度やアイディアが鈍っているような印象を受けました。

「貧すれば鈍する」という言葉があるとおり、「何もすることがない→一時帰休→需要が回復するまで動けない→何もすることがない→一時帰休の延長→・・・」と負のスパイラルに陥らないよう、あるいは、そういう状況になっても乗り越えていけるように、自らのキャリアの選択肢や新規事業のアイディアは常に持っておくことが、結局のところ、自らのセーフティネットにつながると考えています。

なんて偉そうなことを述べている私の現状ですが、「鼻血が出るほど忙しい」日々を送っています。

業界全体で見たときには大変苦しい状況とはいえるのですが、その業界内でも優勝劣敗が徐々に明らかになりつつあります。

また、不況というものが需要と供給のバランスが崩れることによって生じるものであれば、需要が回復した時の残存者利益や市場構造が転換したときの初動者利益は十分に見込めるため、要は、会社の経営体質や財務構造を変革し、”after COVID-19″の世界に向けて備えをできるだけの覚悟と体力があるか、ということが重要かと。

毎日の労働時間は平均15〜16時間くらいだし、土日休日関係なく資料作成やレポート作成をしているし、社長の自治体訪問には随行員として必ず付いていくし、これまでの事業や施策を分析し、新たな戦略モデルを策定しているし、配属部署とか事務分掌とか全く関係なく、次から次にボールが飛んできます。

やはり「危機」時には、自分の置かれたポジションとか、業務範囲とか関係ないんですよね。

そんなことを考えたり、立ち止まったりしているうちに、事態は悪化していくだけだし、場合によっては会社からも置いていかれる。

意思があるところに道は切り拓かれます。

 

 

ABOUT ME
マキアヴェッリ先生
フィールドサイエンティスト。 地方自治体、航空会社、デジタル企業とキャリアを重ねながら、地域課題・社会課題の解決につながるプロジェクトのマネジメントを推進中。 #PPP #PFI #価値共創 #地域創生 #カーボンニュートラル #サステナブル経営 #パーパス経営 #EBPM #ソーシャル・イノベーション