マキアヴェッリ先生の研究室
Openness, Fairness, and Transparency
01 Regional Revitalization(地域創生)

2023Sep.04 Weekly Report:地域経済サーベイ

チームのために毎週配信しているメールに掲載したコンテンツの公開版です。

青森ワッツ、台湾へリンゴ輸出支援 新Bリーグ参加へ布石

土曜日のバスケワールドカップの対カーボベルデ戦はすごかったですね。興奮しすぎて夜寝れませんでした。

かつてバスケットボールは2つのトップリーグが存在(JBLとbjリーグ)するなど混迷していました。

Jリーグを成功させた川渕三郎氏の手腕により、2016年に統合して、bjリーグの理念を継承した地域密着型のプロリーグ・Bリーグが発足したという経緯もあり、元々から地域貢献を重視していました。

Bリーグは2026年に新体制に移行しますが、そこでも引き続き地域貢献が求められるということで、青森県産のリンゴ輸出事業というのを手掛けることとなったという記事。

具体的には、青森ワッツの新事業として、台湾のプロバスケットリーグに所属する「新竹LIONEERS」と業務提携を結び、双方のスポンサー企業が、両チームの主催試合会場やイベントで販売促進活動や市場調査を行うなど、青森県産品のプロモーションを行うというもの。

このようなスポーツと絡めたプロモーションなどは我々も意識して取り組んでいきたいですね。

 

 

ローカル線維持へ連携

地域公共交通機関の維持に取り組む地方自治体の切迫感を理解してもらいたくてチョイスした記事。

「4月に成立した改正地域公共交通活性化再生法に基づき、10月からローカル鉄道の赤字の大きい区間の見直しについて、鉄道事業者や自治体の要請によって、国が利用促進策などを検討する『再構築協議会』を設置できるようになる」ということで、ローカル線維持のための利用促進策に関する予算が動きそうです。

この動きは中四国だけでなく、全国的な動きなのですが、他方で、既に維持を断念する地域も出始めるなど、ローカル線維持に向けた温度感は地域によって濃淡があるようです。

ローカル線維持に覚悟を持った地域と組めるかどうかがポイントになりそうです。

 

 

秋田県、都内に暮らし・交流拠点

アンテナショップではなく、交流・関係人口創出のための拠点(スポット)が10月1日に誕生します。

場所はJR東京駅から徒歩7分の東京都中央区京橋にあるビルの1階。

広さは100平方メートル弱で9人体制での運営のようですが、ロケーション然り、運営体制然り、かなりの財政負担を覚悟しており、一部のアンテナショップで自治体が撤退の動きを見せる中で、また違った切り口での取組として注目したいと思います。

 

広島・尾道市、干潟の排出枠取引 広島銀など16社が購入

東京の大企業がCO2排出枠取引に動く記事は多々見掛けてきましたが、いよいよ地方企業でもCO2排出枠取引の動きが本格化し始めたとして注目したい記事。

「今回発行したのはCO2吸収量にして130トン分のクレジットで、16社が合計で55.5トン分を購入した。このうち広島銀行は発行量の1割にあたる13.4トン分の購入を発表したほか、クニヒロ(同市)や広島ガス、ツネイシホールディングスなど16社が加わった。県外企業でも日本生命保険が購入している。発行金額は今後全てのクレジットの購入者が決まってから公表する。」

今回、クレジットを購入した企業は中小企業というわけではなく、広島県を代表する大手企業ですが、CSRやSDGsの観点から、カーボンクレジットを購入するという取組が地方にも着実に浸透していることを感じます。

 

インフラ整備 予算不足 沖縄振興費、3年連続3000億円割れ

この沖縄振興予算は、自由度の高い「一括交付金」が数百億円単位で交付されるという、他の都道府県から見たらあり得ない程の羨ましい予算ですが、ここ数年減額されている実態が書かれています。

減額理由としては、米軍普天間基地(宜野湾市)の名護市辺野古への移設を巡る政府と県の対立が背景にあるであろうと言われていますが、それ以外にも、「計上された予算を十分に使い切れていない実態も浮かぶ」とあるように、沖縄県の市町村を含む自治体が、予算の計画的執行ができてない実態もあります。

莫大な予算が苦労もせずに交付されるので、財政規律が緩んでいて、大手代理店に丸投げされている事業も多かったため、最近では、会計検査院が事業実績について厳しい検査を行うようになり、ますます執行が難しくなっている事情もあります。

私もOCVB(沖縄観光コンベンションビューロー)の事業を受託した経験がありますが、書類の書き方等について、かなり細かい部分まで指示されました。

単なる一過性のプロモーションではなく、如何に自律的な地域振興につなげていくのかという観点で、沖縄県での取組を進めていきたいと思います。

ABOUT ME
マキアヴェッリ先生
フィールドサイエンティスト。 地方自治体、航空会社、デジタル企業とキャリアを重ねながら、地域課題・社会課題の解決につながるプロジェクトのマネジメントを推進中。 #PPP #PFI #価値共創 #地域創生 #カーボンニュートラル #サステナブル経営 #パーパス経営 #EBPM #ソーシャル・イノベーション