マキアヴェッリ先生の研究室
Openness, Fairness, and Transparency
04 Lifehack(仕事術・人生術)

私の大事な情報源:The Gucci Post

このG.W.は「積ん読」をしていたHarvard Business Reviewのまとめ読みを一気に進めていますが、どんなに優れた戦略であっても、的確な分析であっても、最終的にそれらを実行し、成果を挙げていくためには、マネジャーの決断であったり、経営者のリーダーシップが重要という結論の論文が多い、という印象を受けています。

このことを我が身に置き換えてみるならば、ひとつの部門あるいは部下をリードしていくためには、「自信」「覚悟」「根拠」をもって、ひとつひとつの判断を行い、議論や説得を行う必要があるなと。

そして、それらの自信・覚悟・根拠を支えるのは正しい情報(インプット)であり、普段からの情報収集(サーベイ)が重要な意味を持ちます。

マキアヴェッリ先生流のサーベイ方法としては、

ザッピング:幅広いジャンルや分野に関するニュースをSmart Newsなどでざっと俯瞰する

マイニング:有料のWeb情報や定期購読誌などに書かれた解説記事を読み込む

という、いわば縦軸と横軸の2軸を意識したサーベイを日々行っています。

先に挙げたHarvard Business Reviewは、後者のマイニングのひとつなのですが、もうひとつマイニングを行っているリソースがあり、それがタイトルに書いた The Gucci Post(グッチーポスト)です。

今は亡きぐっちーさんがメルマガを執筆していた頃からの購読していたので、かれこれ5年くらい読み続けていますが、ぐっちーさんの遺志を継いだプロフェッショナルの方々が定期配信するメルマガは、国内事情に偏りがちな視点を、海外における政治・経済情勢にも意識付けをしてくれる点で、大変重宝しているリソースとなっています。

従来から、私にとって重要な情報リソースではあったのですが、このタイミングであえてこちらを取り上げたのは、ウクライナにおける軍事活動による国際情勢の変化と、エネルギー・原料価格の高騰と急速な円安という、企業活動にとっても重視すべき外部環境の悪化が立て続けに起こっているからです。

欧米諸国では、既に保健衛生政策をはじめとして、「脱コロナ」に向けて大きく経済正常化に向けた政策に舵を切った、あるいは、舵を切ろうとしている矢先でしたが、日本は、いまだに腰が定まらない状況の中で、これらの外部環境の変化に巻き込まれつつあります。

ただでさえコロナ禍で企業財務のバランスシートが大きく毀損している中で、外部環境の変化による不確実性の高まりは、更なる企業収益の悪化につながりかねないリスクをはらんでいます。

こういうリスクをきちんと織り込んで、事業の方向性を判断し、チームをあるべき方向にリードすることが私の仕事です。

本日、発行されたSaltさんのメルマガ「グッチーポストの経済ZAP!!」2022年5月2日発行(第129号)では、日銀の政策スタンスについての解説と、5月FOMCプレビューをはじめとした米国経済の現状分析について、豊富なデータとリソースに基づいた様々インサイトを提示してくれています。

ここまでは、いつもの期待水準の内容であり、特筆すべき事はない(それでも大変参考になる記事な)のですが、今回「なるほど!」と思ったのは、こちらの一節。

現在、欧米からのインバウンドは待機需要が積みあがっており、この需要を解き放てば国内景気を押し上げることは間違いありません。さらに、現在問題視されている円安ですが、インバウンドが復活すれば5兆円ともいわれる円買い需要があり、円高圧力にもつながります。インバウンドの本格的な再開はいつになるのでしょうか。

 

インバウンドの再開が円買い需要を引き起こし、円安是正にもつながる可能性を提示した点は、さすがに金融・経済のプロフェッショナルと感嘆しました。

ここで指摘されている待機需要については、私のブログ記事にも書きましたが、ペントアップ需要といって、消費者の間に時間をかけて蓄積された需要です。

私も海外のエージェントを通じて現地の状況をヒアリングしていますが、日本の入国規制の緩和と、それによる日本旅行(インバウンド)の再開を待望している外国人観光客のニーズ(熱)は相当高まっています。

そもそも日銀の大規模緩金融緩和によるデフレ脱却が図れなかったのは、有効な需要創出を図ることができなかったためであり、日本人による需要創出が期待できないのであれば、インバウンド再開による需要起爆剤を期待するしかないのではないでしょうか。

インバウンド再開が日本国内のモノの需要だけでなく、日本円という資金需要も喚起するのであれば、まさにこれこそが日本政府が推し進めるべき政策であると考えました。

 

ABOUT ME
マキアヴェッリ先生
フィールドサイエンティスト。 地方自治体、航空会社、デジタル企業とキャリアを重ねながら、地域課題・社会課題の解決につながるプロジェクトのマネジメントを推進中。 #PPP #PFI #価値共創 #地域創生 #カーボンニュートラル #サステナブル経営 #パーパス経営 #EBPM #ソーシャル・イノベーション