荒天大雪のためフライトキャンセルとなり、新幹線とフライトを乗り継いで、10時間近い出張移動から帰宅した夜。
緊急事態宣言の再発令直後ということで、閑散とした羽田空港と関西国際空港を目の当たりにして、「またか・・・」という思いを強くして、さすがにやや気落ちしていました。
自宅の郵便受けを開けたところ、今月号のHBRが届いていました。
その表紙を見ると、今月の特集は「組織のレジリエンス:何があっても潰れない仕組みをつくる」。
「レジリエンス」という言葉を知ったのは、それこそ未曾有の天災・人災であった2011年の東北大震災と原子力発電事故の時。
当時、被害の実態や規模が知れるにつれて、その途方なさに誰もが立ち尽くす中、どう一歩を踏み出すべきかを悩んでいたところに出会ったのが、この言葉でした。
当時はお役所勤めで、組織がどうなるという不安や心配からは無縁だったのですが、自らが思考停止にならないよう、モチベーションを上げるために「レジリエンス」に関する書籍や記事を読みました。
あれから10年経った今は、まさに私が所属している組織がどうなるのかという漠然とした未来と向き合うために、再び「レジリエンス」について考える機会をいただいています。
今月号のHBRの編集後記には次のように書いています。
正月早々ですが、厳しい経済環境が続きます。まずは生き残ることが大事という現在の状況で、組織のレジリエンス(再起力)の特集を組みました。
「まずは生き残ることが大事」という緊張感は、この1年間、しかも、人生で初めて経験するものです。
昨年来、施策を企画したものの、実施に至らず、延期し、また企画のやり直しから始めるという経験を何度も繰り返しています。
- 施策を企画する
- 社内外のステークホルダーを調整し、合意形成を図る
- 準備に着手し、クリエイティブ等を制作する
というところまでのサイクルが概ね1〜2ヶ月程度かかり、後は、ローンチ(市場投入)という段階で、今回の緊急事態宣言のような不測の事態が生じるわけです。
私の現在の業務は、B2G営業企画(行政部門との連携施策の企画実施)であるため、緊急事態宣言然しかり、GoToキャンペーン事業の一時停止しかり、どうしても政策リスクから無縁ではいられません。
コンセンサス(合意)を重視する行政部門だからこそ、不測の事態が生じた時に、その対応に関する説得力のあるロジックを準備する必要があり、対企業向けの営業企画と比較して、柔軟性や機動性に欠ける面があります。
今回のコロナ禍で難しいのは、1ヶ月単位で状況が変化し、それまでの間に積み上げてきたことが砂上の楼閣のように土台から崩れてしまうこと。
崩れてしまった土台から建て直すということを何度も繰り返してきましたが、1,2回ならまだしも、さすがに何度も繰り返していると気持ちが滅入る部分もあります。
多分、そう思い始めた時にこそ、「何をやっても無意味だ→何もやらない→状況は更に悪化し打つ手が少なくなる→できることがないからやらない→・・・」という負のスパイラルが始まるんだろうなと。
このタイミングで届いたHBRは、「こんな時こそレジリエンスだ!」ということを伝えるための神様のメッセージであると受け止めました。
緊急事態宣言対応で忙しくなる3連休ですが、HBRの論文を読みながら、自分自身、そして、組織のためのレジリエンスを考えたいと思います。
単なるマネージャーというだけでなく、部門のリーダーとしての責務を負うよう話をいただいたところなので、リーダーとしてあるべき姿と気概を示します。