チームのために毎週配信しているメールに掲載したコンテンツの公開版です。
以前、こちらのブリーフィングでも御紹介したイタリア発の思想である「スローシティ」を巡る日本国内の動向に関する記事。
地域の自然環境や伝統文化を重視し、現在のサステナビリティにも通じる考えを数十年前から構築し、世界的なネットワークを作っているにもかかわらず、日本では前橋市と気仙沼市の2都市しか加盟していません。
個人的には素晴らしい価値観に根ざした理念であると思いつつも、日本の場合は、このような海外初の思想・理念はどうしても経済的価値につながるマーケティングの手法として捉えられて、「費用対効果」という観点から判断されがちです。
スローシティとして登録されるためには、「スローシティ国際連盟(本部イタリア)」が定める要件を満たした上で、認証を受ける必要がありますが、その手続きの煩雑さにも課題があるかもしれません。
海外の取組を地域振興にどのように活かしていくのかを考える上での格好の事例といえます。
「グリーン・デスティネーションズ」という国際認証団体が実施する表彰制度で、香川県丸亀市と愛媛県大洲市、徳島県三好市が「世界の持続可能な観光地TOP100選」に選定されたという記事。
丸亀市は伝統工芸品「丸亀うちわ」、大洲市は地域社会の古民家再生活動、三好市は「かずら橋」保存活動が評価されたということで、地元は観光ブランド力の向上につながり、SDGs(持続可能な開発目標)の視察・研修旅行などの誘致に期待しています。
こちらの国際認証団体はオランダにあるようなのですが、実際に、どれくらいの影響力があるのかは未知数ですが、サステナブル・ツーリズムに対する欧米の視点を理解する上では参考になります。
廃食用油を原料とするバイオディーゼル燃料を精算するレボインターナショナル(京都市)が、現在は京都1カ所の工場を、2030年までに全国7カ所体制を目指し、全国展開を計画していることを報じる記事。
揚げ物などに使った食用油はSAFの原材料として世界的に争奪戦が展開されていることは周知の事実で、同社も全国展開により、使用済み食用油を回収する効率的なサプライチェーンを構築する計画が伺えます。
従来は、バイオ燃料向けの税優遇が充実する欧州などへの輸出が売上高の約9割を占めていたようですが、国内でも脱炭素化の流れで、20年以降、産業機械や船舶からの引き合いが急速に増えているようで、カーボンニュートラルに向けた環境変化を意識する必要がありそうです。
横浜国際平和会議場(パシフィコ横浜)がMICE(国際会議や展示会)をターゲットに、来場する海外富裕層向けの高付加価値ツアーの強化に取り組んでいる事例に関する記事。
大山阿夫利神社(神奈川県伊勢原市)の特別参拝を含む1泊2日ツアー、工場や研究所などを訪問するテクニカルツアーや、川沿いに飲食店が並ぶ横浜市野毛エリアでのバーホッピングなどユニークなツアーを用意しています。
SNSでありふれてない、暮らしや文化に根ざしたコンテンツで、手間暇がかかるものの高単価・高収益を狙うというパシフィコ横浜の戦略は明確です。