マキアヴェッリ先生言行録
Openness, Fairness, and Transparency
05 Travel(旅行記)

変化するホテル

ホテル滞在を楽しむ

私の場合は、原則として、旅行とはその目的地に景観や史跡、博物館などのコンテンツを楽しむ行為であるため、滞在先のホテルは、「荷物を置く」「寝る」「シャワーを浴びる」という機能を満たせば十分です。

なので、宿泊料金は安ければ安いほどいいわけで、1泊1万円を超すホテルとなると、「勿体ないなあ」とか思ったりします。

ただ、経済合理性だけを考えて行動すると、かえってつまらないものになってしまうのも旅行のひとつの側面。

観光地のコンテンツはさておき、「ホテルに滞在する=ホテルを楽しむ」ことを目的として、宿泊するホテルがあります。

そのうちのひとつが、指宿市にある「指宿コーラルビーチホテル」です。

DayOneの記録を確認したところ、この5年間で3回以上リピート宿泊しているのは、アマルフィにある「ミラマルフィ」と、この「指宿コーラルビーチホテル」の2つだけです。

 

変化と発見

指宿コーラルビーチホテルが面白いのは、経営者自らがDIYで改築・改修を行っていて、それをFacebookで、随時、情報発信しているところ。

経営者自らが汗水垂らしながら作業をしているのですが、単なる経費節減という以上に、経営者自身のデザインに対するこだわりも強くあります。

経営者が某メーカー大企業のプロダクトデザイナーを務め、また、美術系大学で教鞭を執っていたこともあるという、変わった(???)経歴の持主なので、改築・改修のプロセスを公開するという、一風変わったアプローチを取っています。

改築・改修のプロセスを公開するということは、改築・改修にかかる原価が明らかになったり、決してきれいではない部分を見せることになったりするリスクもあるとは思うのですが、それらのリスクは当然のことと受け入れて、それ以上の「新しい空間をデザインする」可能性を共有しようとする姿勢を興味深く見ています。

私自身も、当初は「傍観者」だったのですが、今では「利害関係者」みたいな感じで、「見る」というよりも「見守る」みたいな気持ちになっています。

というわけで、彼の作業が終わるごとに、「どんな風に変わったのかな?」と気になり、定期的に訪問・宿泊しています。

今回、注目していたのは、「スカイテラス・コーラル」と名付けられた屋上スペース。

昨年夏にも一度訪問したのですが、それ以降も、改築・改修が進められているようで、その後の変化を楽しみにしていました。

この日は、鹿児島市内はゲリラ豪雨に見舞われていて、指宿市内の大雨もきにしていたのですが、訪れてみると、夏空の快晴!

インフィニティプールで子供は遊び、私自身はウッドデッキでコーヒーを飲みながら、太陽の日差しを浴び、海風を感じるという空間を満喫しました。

昨年は壁画のペイントや窓ガラスのステッカーなどはなくて、一見殺風景だったのですが、今年はバー・カウンターも充実していて、デッド・スペースであった屋上が、数年の内に大きく変化しているのに驚きました。

 

読書タイム

アマルフィや地中海クルーズの時も同様なのですが、日差しが強い海を望める場所にいると、下手に動き回るよりも、ウッドデッキに座り、のんびりと読書をしたくなります。

2階バルコニー付きの部屋には露天風呂とウッドデッキが用意されています。

夜にはライトも点灯するので、星空を眺めながら露天風呂を楽しんだ後は、夜風に当たりながら、ウッドデッキにて読書を楽しむこと3時間。

 

まだまだ読書をする意欲はあったのですが、iPadProのKindleで本を読み続けていたため、iPadProの重量に対して、手が疲れ始めるという誤算が・・・。

至福の時間を過ごしていたのに、私が所有しているハードに邪魔をされました。

 

マーケットイン、それとも、プロダクトアウト?

私にとって非常に居心地の良い空間を作り上げているホテル経営者。

彼と話す機会があったので、以前から、疑問に思っていたことを直接ぶつけてみました。

すなわち「改築・改修に当たっては、『自分がやりたいこと』が先にあるのか、それとも、『お客様ニーズ』が先にあるのか?」と。

その答えは、私の期待以上のものでした。

デザイナーという人種は、えてして、自己主張が強い人々と思われていて、自己の感性のみに頼っていると偏見の目で見られがちです。

しかし、彼の言葉からは、長い時間をかけて構築されてきた従業員や顧客との関係といった歴史や、経営の判断指標として示される収益、更に、地域における自社の立ち位置に対する意識など、デザイナーという感性を持ちながらも、経営者としての視点(合理性)も併せ持ったバランス感覚を感じることができました。

マーケットイン、なのか、プロダクトアウトなのかという二律背反の問題ではなく、その両者の対立関係を巧みに乗り越えて、新しい境地を開いていく、というしなやかな精神の有り様が大事なのではないか、ということを彼との会話の中から見出しました。

バルセロナにあるサグラダ・ファミリアのように、彼が見ているホテルの理想像に向けて、これからも改築・改修が進んでいくと思います。

来る度に起こっている変化にどこまで気付き、感じることができるのか?

宿泊者の感性も試してくれる、何度も訪れたくなるホテルです。

ABOUT ME
マキアヴェッリ先生
Director of Business Strategy Department. #イタリア好き #Apple信者 #経済学修士 #スローシティ伝道師 #空港おじさん #ガンダムおじさん #薩摩藩脱藩浪人