マキアヴェッリ先生言行録
Openness, Fairness, and Transparency
02 Column(徒然なるままに)

戦術的勝利を積み重ねても目的には到達しない

昨日の投稿記事において、「戦術」「戦略」という言葉を使用しました。

結局は、鮮やかな戦術的勝利を次々と積み重ねながらも、ローマの国力を体現する「ローマ連合」の解体という戦略目標に達し得なかったために、ハンニバルは徐々に戦術的後退を続けていきます。

実は、これらの言葉は、私が地域の企業や団体を支援する際に頻用する言葉なのですが、日本人は「戦略的思考」が苦手とよく言われるように、十分に認知されてない面もあると思うので、私なりにわかりやすく解釈した定義を御紹介したいと思います。

まず、「戦術」ですが、一言で言えば、「目標達成のための手段」です。

次に「戦略」ですが、「目的を実現するためのシナリオで、複数の目標で構成」されています。

最後に「目的」ですが、「理想・理念を中心とした最終到達点」です。

これくらいの緩い解釈に基づいて、ハンニバルの構想を分解してみると次のようになります。

  • 【目的】ローマを屈服させ、地中海における制海権・交易権を独占
  • 【戦略】都市国家ローマとその周辺国家から成るローマ連合を解体し、ローマを孤立化。その上で、戦争によって勝利を収める
  • 【戦術】会戦を繰り返し、ローマ軍団を壊滅に追い込み、周辺都市国家の離反を促す

『失敗の本質』でも見られるように、太平洋戦争時における旧日本軍の失敗には、組織末端の奮闘ぶりは際立っていたものの、それよりも上位のマネジメント層における目的や戦略の不徹底が大きく影響していました。

この上位レベルの目的から下位レベルの戦術まで一貫したポリシーをもって実現できた場合にはじめて戦争に勝利できることを、多くの戦史は物語っています。

逆に見れば、上位概念である目的と戦略を疎かにして、戦術をいくら積み上げても、待ち受けているのは、結局のところ敗北のみです。

これを現代風にマネジメントの観点から捉え直せば、ビジョンや経営戦略を踏まえたマーケティング戦略を展開すべきということです。

にもかかわらず、なぜかイベントやプロモーション活動だけが無闇矢鱈に繰り返されるという現状。

「戦術的勝利を積み重ねても目的には到達しない」というタイトル通りの言葉を繰り返しても、思考と行動に変容は見られることなく、猪突猛進を繰り返す人が多いというのが実態。

やはり人間は惰性に生きる生き物なのでしょうか。

 

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マキアヴェッリ先生
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