サブスクリプションというビジネスモデル
日本を代表するビジネス週刊誌のひとつである『週刊ダイヤモンド』。
同誌がいよいよサブスクリプション(ダイヤモンド・プレミアム)に踏み切りました。
サブスクリプションとはモノやサービスを「所有」するのではなく、「使用」に対して定期的に支払いを行うビジネスモデルで、ひと言で言えば、「定期課金制度」です。
単にWeb上で雑誌を購入・閲覧するというだけであれば、既存のWebマガジンサービスは多数存在しているので、目新しくはありません。
また、Webマガジンサービスの場合は、他社のプラットフォームに自社のコンテンツを提供するだけの立場に止まるため、競合他社との競争を強いられる一方で、独自のサービスを追求しにくいというデメリットがあります。
ここらへんの課題を克服するために、ダイヤモンド社はサブスクリプションに踏み切ると同時に、新たな付加価値サービスの提供を始めたようです。
新たな付加価値サービス①
『週刊ダイヤモンド』の最新刊とバックナンバー7年分(300冊超)の読み放題なんていうのはありふれたサービスで、今更、強調する価値はありません。
私の目を引いたのは、ダイヤモンド社のベストセラーや話題の新刊を読むことができるというサービス。
私が購入する書籍は、なんだかんだと言っても、ダイヤモンド社や東洋経済新報社などから発刊される経済・ビジネス書が多いし、これらの書籍は一度読んだら、二度読み直すことがほとんどないため、「所有」よりは「使用(レンタル)」の方が向いていると考えます。
新たな付加価値サービス②
“The Wall Street Journal”も追加料金なしで購読可能というサービスは、これだけで確実にコストパフォーマンスが高いです。
というのは、同誌を定期購読するとすれば、月額3000円近い購読料が発生するため、今回のダイヤモンド社のサブスクリプション価格は月額約2000円(税込み)と、それだけでも十分に元が取れる計算になります。
この一事だけをもってしても、ダイヤモンド・プレミアムに切り替える誘因が私に働きました。
今後も拡大するサブスクリプションモデル
既に動画コンテンツの世界では、NETFLIXやHulu、Amazon Primeなどサブスクリプションモデルが主流となっています。
これからは、多くのコンテンツを有する漫画・ゲーム・アニメなどの業界も続々とサブスクリプションが拡大していくと思います。
むしろ、今回のダイヤモンド社のような動きは遅い方との見方もできますが、老舗のコンテンツホルダーも重い腰を上げざるを得ないほど、消費者の購買行動が変化している証左だと思います。
この動きの先にある更なる消費者の変化を洞察でき、新たなビジネスモデルを作り上げた企業こそが勝ち残れるというシビアな現実が待ってそうです。