DHBRの2020年1月号に掲載されていたセオドア・レビットの論文。
こちらの論文は1983年に発表された名著論文の再掲という形で掲載されていたので読んでみたのですが、これは、私が現在取り組んでいるB2G向け営業企画にも十分通用する話だと思い、一気読みしてしまいました。
今期に入り、自治体からの受託案件が昨対比200%と、ほぼ倍増の受注を獲得している現状なのですが、大事なことは獲得して終わりではなく、そこから先の関係性の変化と顧客の「期待」に対するマネジメントである、という点が重要です。
契約は始まりにすぎず、「買い手はその取引で売り手に『恩を売った』と思っており、売り手はそうした弱い立場から、リレーションシップを築き直さなければならない」とレビットは述べます。
これは、B2Gの場合は殊更に注意すべき点で、「お上意識」の強い政府部門との取引なので、「上から目線」の要求や要望が押し付けられることがあります。また、政府部門は民間ビジネスにおける最新の手法を十分に理解しているわけではなく、過度の期待をしがちです。
レビットも「重要なのは、顧客を見つけてつなぎ止めておくよりも、むしろ望み通りの価値をもたらすことだろう。買い手の側でも売り手に対して、常に約束を守り、製品やサービスをたゆみなく提供してくれるよう期待している」と述べるとおり、契約の範囲内で、実現可能なことに関するお互いの共通認識を持つためのコミュニケーションが不可欠です。
地域の課題を解決するソリューションの企画と提供を行うだけに止まらず、それによって、自治体側もソリューションの内容や成果に納得してくれることが、一過性ではなく、長期的なパートナーシップの基礎になります。
その観点からは、契約が成立した後におけるリレーションシップ・マネジメントが重要で、リレーションシップは放置すれば損なわれていくだけなので、私自身だけでなく、部下の顧客対応の内容や頻度には留意する必要があると考えました。
本稿が掲載された雑誌はこちら
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