今年4月に入り、親交のある自治体関係者が多数お役所を退職した旨の連絡や報告をいただき、「安定した公務員」像が崩れ、人材が流動化していることを改めて感じました。
一足先にこちら側(民間企業)の世界にやってきた私としては「ようこそ!」と歓迎したいと思います。
他方で、気になるのが転職先というか、再就職先が「地域創生」を掲げる自営業であったり、小さなNPOであったりする点。
もちろん、安定した公務員を辞めて、自ら市場価値が問われる世界に飛び込むこと自体は相当覚悟を要することなので、束縛やしがらみの多い大きな組織から抜け出して、より高い自由度や自主性・自立性を求めてという気持ちはわからないでもないです。
ただし、自由度・自主性・自立性を得る裏側で、経営資源(資金・人材・経験・ノウハウ)の制約も受けるため、結局のところ大きな地域課題に本格的に取り組むには実力が足りないという現実にも注目する必要があります。
私にとっての「地域創生」とは最低でも数億円規模のビジネスを起こして、そこに数人あるいは数十人規模の雇用を生み出すことを意味します。
そのためには、小さなセミナーを開催して事足れりとするような自己満足のような事業ではなく、儲けるための仕組みや仕掛けを用意して、それを地域内で自走・発展させる水準にまで作り込んでいくことが重要であると考えます。
そうなると、結局のところ、何だかんだで経営資源が豊富な規模の大きい会社が望ましいわけで、そういう会社で新規事業開発を力強く推進できるポジションを獲得する方が、目標達成の観点からは「急がば回れ」のアプローチではないかと考えます。
民間に転身した元公務員の皆さんを応援する気持ちはありつつも、ビジネスで利益をあげていくことのシビアさを認識せずに、自らのキャリアや経験に価値があると勘違いしている人も少なからず見受けられます。
新しい世界に飛び込んだら、それこそ学ぶべきことが沢山あり、「学び続ける姿勢」が重要になります。
私はそれなりの規模の企業に転身し、部長というポジションに就いているため、このポジションで会社のリソースを使いながら、地域創生を果たし、会社の利益に貢献する道を引き続き模索していきます。