マキアヴェッリ先生の研究室
Openness, Fairness, and Transparency
02 Book Review(書評)

マーケティング視点のCSV

2020年10月号のDHBRに掲載された論文「マーケターは社会の課題を解決しブランドも成長させる」ではマイケル・ポーターとマーク・クラマーが提唱した共通価値の創造理論(CSV; Creating Shared Value)をマーケティング視点で推進するアプローチが示されています。

ポーターとクラマーが製品やバリューチェーン、地域クラスターを通じて企業が提供できる社会的利益を説いたのに対して、本論文ではより健康的な習慣や前向きな規範を促すコミュニケーションや教育プログラムなど、ブランドの活動やパーパスドリブンマーケティングから生み出される社会的利益に主眼を置いています。

各企業(ブランド)が抱えるパーパスをそれぞれのビジネスに結び付け、その社会的インパクトを高めるために役立つ「パーパス・ツリー」というフレームワークが紹介されています。

パーパスツリーの5つの根
  1. 行動変容を促す
  2. 内部支援を獲得する
  3. 成果を測定する
  4. パートナーシップを確保する
  5. 体系的変化を推進する

マーケティング活動により経済的価値と社会的価値を同時に追求するアプローチということで興味深い論文でした。

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マキアヴェッリ先生
フィールドサイエンティスト。 地方自治体、航空会社、デジタル企業とキャリアを重ねながら、地域課題・社会課題の解決につながるプロジェクトのマネジメントを推進中。 #PPP #PFI #価値共創 #地域創生 #カーボンニュートラル #サステナブル経営 #パーパス経営 #EBPM #ソーシャル・イノベーション